6.23.2011

裕福な国王の街、空腹な北欧の旅




コペンハーゲンから電車で30分程東へ進むと、スウェーデンとの国境。その近くにある小さな町で一日過ごし、夜行列車で首都ストックホルムへ。本当はノルウェーも行きたかったのだが、次の旅までお預け。ストックホルムも週末のせいかホステルが満室で宿泊先が確保できず、やむなく同日に夜行フェリーでフィンランド南西の港町、トゥルクへ。








街も郊外も美しく、人は親切で丁寧。食事も…まぁバターの量を除けば美味しいし、ロックも盛ん。初夏の北欧の旅はとても楽しいのだが、とにかく高い。特にこういう行き当たりばったりな旅をしている最中は、とても厳しい。宿泊も食事も、ネット接続もトイレでさえもお金がかかる。そのかわり整備され、整頓されているのだから納得がいかないわけではないのだが。

トゥルクからは電車でヘルシンキへ。朝7:00に下船したので3時間半の電車旅は寝たかったのだが、座席の予約はしてこなかったので適当に座っていると、「私の席ですよ」と正当な権利を持つ乗客に笑顔で起こされてしまった。

自由と平和の象徴、クリスチャニア

舗装されていない 細道を入り、しばらく進んでいくと行儀よく列をなして行き交う自転車が見えなくなり、低く唸る自動車の音が聞こえなくなった。通り過ぎる人が微笑み、ネコが気持ち良さそうに広場の真ん中で寝ている。



クリスチャニア(正式名称:Freetown of Christiania)とは、コペンハーゲン市内の中心にある理想郷。17世紀から軍の基地として使用され、核兵器や武器に汚染されて買い手のつかなかった土地を1960年代後半に若者たちが無償で政府から引き取り、自由なコミュニティを作ることにした。そこでは、その地域だけの法を作ることが認められ、当時のヒッピーが求めていた平和と自由を掲げ、多くの若者が自分達の家と生活を建て、食物と子供たちを育てた。国王クリスチャン4世に由来する名称は、軍事基地に付けられた土地名が引き継がれたものであり、赤地の旗に描かれた黄色い丸は3つの「i」の点の部分を示している。







個人の所有物が存在しないこの地域には生活者に平等の権利が与えられ、政府や有権者は存在しない。完全な民主主義で物事は決められるが、平和を維持するため3つだけルールがある。no hard drugs (薬品系の麻薬禁止)、no violence(暴力禁止)、そして no cars(自動車禁止)。現在この地で生活する約500の住民、アーティストだったり、発明家だったり、中にはクリスチャニアの外に仕事を持つものもいるらしい。現在は厳しく取り締まられるようになったが、大麻が売られていた当時の面影が中心地に強く残っており、デリやカフェ、バーなどにはその雰囲気を楽しむ地元の若者や観光客などが大勢集まってくる。僕たちは地元の人に案内してもらったのだが、オススメはガイドブックに載っているこの中心地よりも、湖を囲うように続くハイキング・トレイルのような細道。30分程のこの道を歩くと、ここの人たちがどの様な生活をしているのかを垣間見ることができる。


実は、このユートピアについて悲しい話がある。1ヶ月ほど前にあたる2011年の5月に、デンマーク政府がクリスチャニアに対して起こした訴訟の判決が下された。このコペンハーゲン一等地を国へ返還するかクリスチャニアが買い取るべきだという内容らしいが、国の勝訴で決着がつき、今後このコミューンの行方は不透明らしいのである。多くの国民から認められ、中には国の誇りだと言う人もいるクリスチャニア。この自由と平和の象徴を、現在のままでいつまでも残しておいてほしいと願うとともに、変わってしまう前に一人でも多くに体験してほしいと思う。


ちなみに訪れたいと考えている方、写真撮影が禁止の区域があるのでご注意を。

6.21.2011

デニッシュってデンマーク語ではなんて言うのだろう…

30時間船に揺られ、デンマーク最北にある港町、ヒァツハルス(Hirtshals)に到着。バックパックを背負い下船しながら今度こそとパスポートの入ったポケットに手を延ばしたが、フェロー諸島に引き続き入国審査は無し。このままロシアまでは新たな入国記録がつかないまま旅を進める事になるだろう。




電車を何度か乗り換えて最初の目的地であるオーフス(Århus)へ向かう。まず気付いたことは、広がる田園風景が平たいこと。オーフスはドイツに隣接するユトランド半島(Jutland)の中ほどに位置する第2の都市で、文化の中心らしい。美術館を訪れるなど街で半日過ごし、電車で3時間かけて南にあるコペンハーゲンへ。街は綺麗にしてあり、電車は時間通りに走る。煉瓦は均等に積まれ、色は統一されている。学費も福祉も国が負担するこの国、とても丁寧でマジメだという印象を受けたが、このシステムを活用できない人は社会の脱落者として厳しく非難されてしまう、と現地の人が教えてくれた。平均以下に風当たりが強いところも日本との共通点だろうか。





翌日は出会った人から自転車を借りて市内を散策。小さな島国を巡ってきた我々にとって、市の人口50数万人の小さな都市であっても久々の都会はギャップが激しい。更に、自転車専用の道路と信号が整備され、追い越しや右折専用車線があるほどの二輪車社会なので、街中の動きは目まぐるしく、あっという間に体力を消耗。公園で一息。この日は何かの記念日だったらしい。





6.19.2011

デンマークのビール

Carlsberg, ##%, Copenhagen, Denmark

Ægte Fynsk Ale No. 16, 5.7%, Fyn, Denmark
Kærlifhed, 5.0%, Fyn, Denmark

Tuborg  Grøn, pilsner, 4.6%, Copenhagen, Denmark
Økologisk Christiania, Thy pilsner, 4.6%, Jutland, Denmark

フェロー諸島のビール

Föroya Bjór Gull, 5.3%, Faroe Islands

Föroya Bjór Pilsner, 4.6%, Faroe Islands
Föroya Bjór Classic Dark Lager (not pictured)



Tarvur Restorffs,  4.6%, Faroe Islands

Okkara Pilsner, 4.6%, Faroe Islands
Okkara Klassik, 4.6%, Faroe Islands
Okkara Gull, 5.8%, Faroe Islands

6.12.2011

宿泊について: ユースホステルとゲストハウス

アイスランドもそうしていたが、フェロー諸島でもユースホステルやゲストハウスでの宿泊を続けている。バックパッカーに馴染みの宿泊先であるこれらの施設、違いや使い分け方がわからないので調べて見る事にした。

フェロー諸島、トースハウンのユースホステル、男性部屋
まず、ユースホステルには歴史がある。創設者はドイツの小学校教師、リヒャルト・シルマン
(Richard Schirrmann, 1874-1961)。ある時、子供達を連れて屋外授業を行っている際に風雨に見舞われ、ある村の学校に駆け込んで宿泊させてもらう。この事をヒントに、青少年向けに安全な宿泊施設を提供する事を目的とした施設のネットワーク設立を思いついたらしい。ユースホステルの定義とは、安価で安全な宿泊先を提供する会員制施設だが、その施設や設備を指すよりも利用者や経営者の文化的特色を示す言葉である、ともいわれている。施設は相部屋が主で男女別も混合もあり、キッチンなどの共有スペースがあるところもある。

アイスランド、ウエストフィヨルド地方のゲストハウス
ゲストハウスとは、1泊単位で宿泊できる安価な宿を指し、キッチン、トイレ、シャワーなど共用スペースがある事と、小部屋の他にドミトリと呼ばれる相部屋がある事などが特徴である。ユースホステルとの違いは会員制であるかどうか、そして提携しているネットワークが異なる事くらいだろうか。個人的にはゲストハウスのほうが家を改築して提供している、アットホームな雰囲気を持っているところが多いように感じる。値段も同じくらいだろうか、地域によって異なるがヨーロッパ圏は高いほうで、一泊¥3000~5000程度。東南アジアはその1/10程度で泊まれるらしい。

ユースホステルの共有スペース(アイスランド、イサフィヨルド)
いずれの施設でも重要なのは出会いだと思う。これだけインタネットが発達しガイドブックも多く出版されている現在、誰に話す事もなく旅行を楽しむ事はできるだろうが、やはり出会った人と共有したり交換する旅先の情報や文化はとても価値あるものだと思う。貧乏な若者の一人旅から、引退して余暇を楽しんでいる年配カップルまで、年齢も人種も目的もさまざま。部屋をシェアしたり共有スペースでくつろぎながらいろいろな話ができるのは、きっとホテルでは味わう事ができないだろう。

6.11.2011

フェローとは羊を意味するらしい

北緯64度のセイディスフィヨルド港を20:00に出港したフェリーは、南東方向へ約18時間進み、翌日の午後にフェロー諸島の首都トースハウンのあるストレイモイ島に到着した。アイスランドとノルウェーの中間地点で英国の真北に位置するこの地域は、矢尻の形に並んだ18の島から成り立っていて、それぞれの島は海からそびえ立った山のような形をしているのが特徴。谷間の海に近いところにカラフルな家が並び、あちこちに港町が形成されているのが船で通過する際にみえる。

おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に...
 
アイスランドから来たせいだろうか、第一印象は風がなく暖かいということ、そして街並みの雰囲気が違うということ。まだ10度程度なのに...レイキャヴィクの町は広場を中心に縦横の道路がはっきりしているのに対し、トースハウンはまっすぐな道が一本もない。また、山の斜面に囲まれているので色とりどりの屋根が折り重なるようにみえるのがとても鮮やか。そして、屋根に敷き詰められた草を含め、街中に緑が多い。初日は天気が悪かったが、小さい町なので迷うのを楽しみながら散策。

島々が折り重なるように見えるのが特徴

ここはデンマークの自治領とされているが、漁業に規制がかかることを懸念してか、1973年の本国のEU加盟に加わらなかったり2000年以降は独立派の政治家が増えるなど、自治政府による行政が盛んに行われているようだ。物価は離島のせいなのか、それとも北欧に近いからなのか、割高である。

翌日は2番目に面積の広いエストゥロイ島のルナヴィクへ。何がある町でもなかったが、天気がよかったのでひたすら散歩。ジャケットなしで外を歩けるのはやはり気持ちいい。実はこの町へきたのはフェスティバルがあると聞きつけたからなのだが、実際は夜に行うとのことでバスの時間に間に合わず、断念。投稿はしなかったが、アイスランドのイサフィヨルドでがっかりした漁師祭といい、この旅、いまのところ祭りごとには縁遠いようだ。