昨日は電話をくれてありがとう。久々に君の声を聞けて嬉しかった。きっと病院での夜勤続きで疲れているのだろうが、多くの人々の力になってあげているだろう事を、いつでも父さんは誇りに思っている。
私は休暇をイナリで過ごして、これからヘルシンキへ帰るところだ。毎年恒例の3週間の釣り、昔、一度だけミラを連れてきた事があったな。今年はすごいのを釣ったんだ。先週、いつものようにボートで湖へ出て糸を垂らしていると、これまでに感じた事のない引きがあった。興奮を抑えながらゆっくり時間をかけ、15分後にその姿を見た瞬間、湖の主だと確信した。釣り上げたのは長さ78cm、重さ7.25kgのマス、きっと今シーズンno.1の大きさだよ。写真は後で見せる事にしよう。
そうそう、昨日変わった人々に出会ったよ。日本人とアメリカ人のカップルで、話していたら面白そうだったので、一日一緒に過ごしたんだ。ミラには、お人好しなんだからって笑われるかもしれないが、ボートでイナリ湖を案内したり、ノルウェーの国境までドライブしたり、楽しい一日だった。キミから電話があったときも、実は一緒にいたんだ。トナカイの肉を初めて食べたらしいんだが、とても美味しいと食べていたよ。きっとフィンランドの美しい自然を感じてもらうことができただろう。彼らが写真を送ってきたので同封しよう。パパはいい男に写っているかい?
一日も早く、君に会えるのを楽しみにしているよ。体調に気をつけて、お土産と話を楽しみにしていてくれ。
愛を込めて、パパより
※この手紙に出てくる登場人物は実名であり、内容は事実に基づいていますが、本人の主観については事実と異なる場合があります。
6.24.2011
6.23.2011
裕福な国王の街、空腹な北欧の旅
街も郊外も美しく、人は親切で丁寧。食事も…まぁバターの量を除けば美味しいし、ロックも盛ん。初夏の北欧の旅はとても楽しいのだが、とにかく高い。特にこういう行き当たりばったりな旅をしている最中は、とても厳しい。宿泊も食事も、ネット接続もトイレでさえもお金がかかる。そのかわり整備され、整頓されているのだから納得がいかないわけではないのだが。
トゥルクからは電車でヘルシンキへ。朝7:00に下船したので3時間半の電車旅は寝たかったのだが、座席の予約はしてこなかったので適当に座っていると、「私の席ですよ」と正当な権利を持つ乗客に笑顔で起こされてしまった。
自由と平和の象徴、クリスチャニア
舗装されていない 細道を入り、しばらく進んでいくと行儀よく列をなして行き交う自転車が見えなくなり、低く唸る自動車の音が聞こえなくなった。通り過ぎる人が微笑み、ネコが気持ち良さそうに広場の真ん中で寝ている。
クリスチャニア(正式名称:Freetown of Christiania)とは、コペンハーゲン市内の中心にある理想郷。17世紀から軍の基地として使用され、核兵器や武器に汚染されて買い手のつかなかった土地を1960年代後半に若者たちが無償で政府から引き取り、自由なコミュニティを作ることにした。そこでは、その地域だけの法を作ることが認められ、当時のヒッピーが求めていた平和と自由を掲げ、多くの若者が自分達の家と生活を建て、食物と子供たちを育てた。国王クリスチャン4世に由来する名称は、軍事基地に付けられた土地名が引き継がれたものであり、赤地の旗に描かれた黄色い丸は3つの「i」の点の部分を示している。
個人の所有物が存在しないこの地域には生活者に平等の権利が与えられ、政府や有権者は存在しない。完全な民主主義で物事は決められるが、平和を維持するため3つだけルールがある。no hard drugs (薬品系の麻薬禁止)、no violence(暴力禁止)、そして no cars(自動車禁止)。現在この地で生活する約500の住民、アーティストだったり、発明家だったり、中にはクリスチャニアの外に仕事を持つものもいるらしい。現在は厳しく取り締まられるようになったが、大麻が売られていた当時の面影が中心地に強く残っており、デリやカフェ、バーなどにはその雰囲気を楽しむ地元の若者や観光客などが大勢集まってくる。僕たちは地元の人に案内してもらったのだが、オススメはガイドブックに載っているこの中心地よりも、湖を囲うように続くハイキング・トレイルのような細道。30分程のこの道を歩くと、ここの人たちがどの様な生活をしているのかを垣間見ることができる。実は、このユートピアについて悲しい話がある。1ヶ月ほど前にあたる2011年の5月に、デンマーク政府がクリスチャニアに対して起こした訴訟の判決が下された。このコペンハーゲン一等地を国へ返還するかクリスチャニアが買い取るべきだという内容らしいが、国の勝訴で決着がつき、今後このコミューンの行方は不透明らしいのである。多くの国民から認められ、中には国の誇りだと言う人もいるクリスチャニア。この自由と平和の象徴を、現在のままでいつまでも残しておいてほしいと願うとともに、変わってしまう前に一人でも多くに体験してほしいと思う。
ちなみに訪れたいと考えている方、写真撮影が禁止の区域があるのでご注意を。
6.21.2011
デニッシュってデンマーク語ではなんて言うのだろう…
30時間船に揺られ、デンマーク最北にある港町、ヒァツハルス(Hirtshals)に到着。バックパックを背負い下船しながら今度こそとパスポートの入ったポケットに手を延ばしたが、フェロー諸島に引き続き入国審査は無し。このままロシアまでは新たな入国記録がつかないまま旅を進める事になるだろう。
電車を何度か乗り換えて最初の目的地であるオーフス(Århus)へ向かう。まず気付いたことは、広がる田園風景が平たいこと。オーフスはドイツに隣接するユトランド半島(Jutland)の中ほどに位置する第2の都市で、文化の中心らしい。美術館を訪れるなど街で半日過ごし、電車で3時間かけて南にあるコペンハーゲンへ。街は綺麗にしてあり、電車は時間通りに走る。煉瓦は均等に積まれ、色は統一されている。学費も福祉も国が負担するこの国、とても丁寧でマジメだという印象を受けたが、このシステムを活用できない人は社会の脱落者として厳しく非難されてしまう、と現地の人が教えてくれた。平均以下に風当たりが強いところも日本との共通点だろうか。
翌日は出会った人から自転車を借りて市内を散策。小さな島国を巡ってきた我々にとって、市の人口50数万人の小さな都市であっても久々の都会はギャップが激しい。更に、自転車専用の道路と信号が整備され、追い越しや右折専用車線があるほどの二輪車社会なので、街中の動きは目まぐるしく、あっという間に体力を消耗。公園で一息。この日は何かの記念日だったらしい。
電車を何度か乗り換えて最初の目的地であるオーフス(Århus)へ向かう。まず気付いたことは、広がる田園風景が平たいこと。オーフスはドイツに隣接するユトランド半島(Jutland)の中ほどに位置する第2の都市で、文化の中心らしい。美術館を訪れるなど街で半日過ごし、電車で3時間かけて南にあるコペンハーゲンへ。街は綺麗にしてあり、電車は時間通りに走る。煉瓦は均等に積まれ、色は統一されている。学費も福祉も国が負担するこの国、とても丁寧でマジメだという印象を受けたが、このシステムを活用できない人は社会の脱落者として厳しく非難されてしまう、と現地の人が教えてくれた。平均以下に風当たりが強いところも日本との共通点だろうか。
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