11.10.2011

適当な歩幅

もうしばらくブログを続けることにします。
皆さま、お付き合いの程よろしくお願いします。

さて。

ニューヨークへ到着してから2週間半。マンハッタンは何度も訪れているが、ここで生活 することを前提に街を歩き回るのは初めて。2007年以降、仕事やプライベートで毎年1~2回は訪れたが、その際はやはり観光客。行く場所も買 うものも普段の生活からはかけ離れたものばかりを選択する。もちろんそれでいいのだが、今はそういうわけにはいかない。

この街。最初の1週間は、正直外へ出かけると街に呑み込まれるのではないかという錯覚に陥った。ここは一般的なアメリカの地ではない。世界中から集まるエネルギーが高層ビル群に挟まれた路上に溢れ出し、この止まらない大都市をひたすら動かしている。ただ人が多いだけではない。ここでは人々が無造作に、不定期に、そして他人に対して無関心に、立ち止まったり進んだりする。秩序と暗黙のルールに守られた都内を歩くのとはわけが違う。「肩引き」や「七三の道」など江戸時代から伝わる思いやりの思草(しぐさ)は、ここには存在しない。

でも歩かないと覚えないので、用があってもなくても、とにかく外へ出ることにしている。生活に必要なものがどこにあるか、地域の特色はどのようなものか、そして人々のスピードはどのように変化するのかを少しだけ意識しながら散策する。これは、地域に馴染んでいない今しかできないことなのだと思う。そしてもう一つ心がけているのは、回りに圧倒されないこと。自分の歩幅を維持することを意識したことはこれまでなかったように思うが、これが自然にできていないのは、まだ溶け込んでいないからなのだろうと思う。

新しい地へ移る楽しさとは、そんなところにもあったりする。

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