5.07.2011

壊すばかりではないんです

退職、永住権の取得、予防接種、諸々の解約、旅の準備など、とにかく忙しかった4月の締めくくりは住まいの明け渡し。5年住んできた住居から荷物を出して車に詰め込み、はれてホームレスとなった。ニュースで、「無職、住所不定、自称」の三拍子が揃わないよう、自分にニックネームをつけるのだけはやめておこうと思いながら、長い間お世話になった家とのお別れ。

出発までひとまず静岡へ。常に雑音に溢れている都会を離れ、少し落ち着けるかなと思っていたが、いざ到着してみるとこちらに置いてゆくものの片付けが山積していることに呆然。それでも気を取り直し、ひとつずつ箱を開いて閉まっていく。実は、1ヶ月ほど横浜の家で解体ばかりしてきた自分へのご褒美として、ここでできるプロジェクトを準備しておいた。それは久々の家具作り。ということで今日は簡単にその手順を紹介しようとおもう。


 製作するのはベッド・フレーム。材質は表面をタモの集成材で作り、他はあり合わせの廃材を使用。下に収納ケースを入れられるようマットレスの高さは通常より高めの50cm、また、読書時に寄りかかれるようヘッドボードも高めに設定。内枠はダボのみで固定し、ベルト・クランプで締める。強度が必要な外枠との固定は更に8cmのビス穴を設けて固定。ヘッドボードにできた3ヵ所の空白には化粧の枠材を回し、接着。先ほど開けたビスの鼠穴は手製のキャップでふさぎ、全体に鉋と紙やすりをかけ、サイドフレームの臍を準備。薄く溶いたニスを全体に染み込ませ、初日は終了。

 
翌日は家の片付けを進め、製作は午後から開始。足りなかった部材を買いにいったが、残念ながら9mmの化粧ベニヤがなかっ たので4mmシナ合板で代用。強度よりも重量感が半減してしまうのではと心配だが、カッターで加工できるので、作業は早い。サイズにカットして枠にはめて いき、接着後に裏から固定。全体の重量を支えるサイドフレームは、タモ集成材20mmに、ベニヤ受けとなる廃材の無垢マホガニー材15mmを接合し、 15cm間隔でビス止め。夕方に雨が降ってきたので、床板用のベニヤと補強材をカットし、2回目の塗装を行って終了。



父から(勝手に)譲り受けた電動ドリル。逆回転しないのも愛嬌

3日目。朝から組み立てを行い、全ての臍が合うことを再確認。バラして部屋へ運び、枠とヘッド・フットボードを接合する。 接合してから分かったのだが、ヘッドボードに使用した15mmのタモ枠は思ったよりも柔軟性があり、臍だけでは揺れがとれないので外側からビスでも固定 し、キャップで目隠し。サイドフレームの枠ににかかるよう、補強を施した床板を敷き詰めて、昼前に完成。高さ50cmは思ったよりも座りやすかったが、 フットボードも同じ高さにしたのは失敗だった。


なんにせよ、よい息抜きになったが、これでしばらく家具を作ることもないだろう。工具の手入れを簡単に行い、箱につめて押入れの奥に閉まった。


1 件のコメント:

  1. たく5/14/2011

    いいね。俺もガーデンフェンスを自作中。今日は沓石という基礎を埋めた。穴掘るだけでこんなに楽しいとは!

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