7.21.2011

ナーダム第2日

ナーダム2日目。本日は、フイ・ドルーン・フダット(Khui doloon khudagt)で行われる競馬を見に行く事にした。馬の年齢によって6つのレースに分けられるこの競技は、1レースにつき244頭の競走馬によって一斉に行われる。路線バスに乗って見に行く予定にしていたが、宿泊先で知り合った人がチャーターしたクルマに空席があるとの事で同乗させてもらえる事になった。後から知ったのだが、ローカルバスは相当の混雑で、しかも渋滞にハマって結局競技を観戦できなかった人が多くいたらしい。もともとナーダムは、どれもモンゴルでの生活に必要な技術を競う為に始まったのが由来だが、中でも人と親密な関係にある馬を乗りこなせる事はモンゴル人にとって必然であり、重要であると位置付けられている。


競技場に向かう途中の道路で知ったのは、穏便な性格と感じていたモンゴル人は路上で豹変するという事。片道2車線の道路は7車線にまで膨れ上がり、中には反対車線も平気で走っている車両がいる。我々のジープもその特性を生かして土が盛られた路肩を跳ねながら走り、ガソリンスタンドを通り抜けてゆく。レースを見に行く為にオフロードレースを体験しているようなものだ。1時間半後、会場に到着するとそこは車両の海原。更にそこから歩いてレースのゴール付近に到着すると、第一レースが終了したばかりだった。




 競技は広い草原で行われ、年齢によって片道15kmから30km程度の距離を走る。本日のレースは、6つの中で最も力強いとされる5歳馬、そしてこれから始まる、最も若い2歳馬のレース。ナーダムの競技を走り終えた馬の汗を額に付けると幸運を招くという言い伝えがあるらしく、出口には多くの人が押し寄せ、レースを走り終えた馬に群がっては体に触れているのが遠目から見える。モンゴル独特の小型な馬に乗る騎手は12歳前後の少年が主で、どの選手もあどけなさが表情に残っている。次のレースまでは1時間以上あったが、あたりが落ち着いているうちにいいポジションを確保し、徐々に期待を膨らませる。




旗を掲げた審判が馬でスタート地点に向かうと、それに連なるようにして競走馬がゾロゾロと続く。かなり離れたところからのスタートらしく目を凝らして見ていると、いつの間にかスタートしていた。呆気に取られながらも、道なき進路を進む馬が点になるまで追い続ける。この頃からスタンドにどんどん人が押し寄せ、気がつくと僕の座っている座席の後ろにぶら下がるようにして人が重なり合っている。

 



 遠くに砂埃が舞い上がっているのが見え、それがだんだん近づいてくる。一頭が圧倒的なリードでゴール付近に入ってくると声援がピークに達し、乾いた草原に火が付きそうな熱狂に包まれる。遅れて後続馬が次々にゴールし、そこに人が群がる。






一息つくまでに相当の時間がかかったが、素晴らしい体験だった。観戦後に、子供の頃に読んだ絵本、「スーホの白い馬」を思い出し、改めて読み返してみたいと思った。


なお、帰りのジープが再レースとなった事は言うまでもないだろう。



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