7.19.2011

ナーダム祭 2011 初日

朝6:30。ウランバートル駅に到着すると、祭を目指してきた人々でホームは埋め尽くされていた。ゲストハウスの人に迎えに来てもらい、移動すること10分。ぼくらが数日間お世話になる宿に到着する。コンクリートの建物の上には伝統的な移動式住居、ゲルがいくつも建てられていて、それがおもな宿泊施設らしい。残念ながら安価なゲルは既に埋まっており、ぼくらは建物内の個室をあてがわれる。


あらかじめ予約しておいたナーダムのチケットを受け取り、いざ会場へ向かう。ナーダム(Naadam)とは、モンゴル語でゲームもしくは試合を意味し、伝統競技の祭典である。年に一度行われるこの祭は国内あちこちで開催されるが、最も華やかに行われるのがウランバートル中心地にある競技場で、オープニングセレモニーなどの催し物もあるらしい。しかも今年は、匈奴(きょうど)民族の遊牧騎馬連合形成2220周年、チンギス・ハーンによるモンゴル帝国の建国805周年、国の自由革命100周年、そして人民革命90周年と、お祝い事が重なって盛大に行われるらしい。主な競技は、モンゴル相撲、弓射、競馬の三つで、郊外で行われる競馬意外はこの競技場付近で行われる。







簡単だと説明された大通りを歩いていく。ウランバートル市内は乾燥しているせいか砂埃が多く、そして朝から日差しが暑い。少々でも現金を持ち歩こうとATMを探したが、3日間行われるこの祭の初日ということもあってどの店も開いている気配は無い。スタジアムに近づくにつれ、舗装されつつある歩道は歩行者が連なり、車道は渋滞した車で埋め尽くされている。想像以上に大きな祭である事に期待を膨らませつつ30分ほど歩いてようやく競技場に到着すると、そこには民族衣装に身を纏った多くの人々とカメラを構えた観光客とが溢れている。


通路を抜けてスタジアムへ入ると、そこはオリンピックのように華やかな舞台だった。馬頭琴の演奏者数百名が手前に腰掛け、中央では様々なダンスや演出が行われている。人口100万人の首都から、何割の人がこのイベントに参加しているのだろうと思うくらい大勢のグループが後から後から出てくる。開催宣言のようなスピーチが行われ、競技がいよいよ開幕した。

 


競技場中央で行われているのはモンゴル相撲。相手の膝、肘、もしくは体が地につくまで闘う姿は日本の国技とは全く異なるスポーツである。両者が試合前に、そして勝者のみが試合後に腕を広げて舞う踊りは、空を舞う儀式らしい。外の競技場で行われているのは、弓射。艶やかな民族衣装を纏った男女それぞれが一列に並び、40M程先に重ねられた的を射る。




とても独特な競技を観戦した後ゲストハウスに戻ると、どうやらナーダムのお祝いに羊を一頭調理したらしい。

オーナーの家族や友人と共に、チンギスハーンのラベルが貼られたウォッカを飲み明かし、素晴らしいアジアの初日が夜を迎えていた。

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