7.12.2011

シベリア鉄道の旅: トムスク ~ イルクツク


走行距離  1541km 
拘束時間  約33時間
出着時差  +2時間


長距離移動の途中下車の場所としてトムスクを提案したのはサエ。人口47万人のこの町、現在は五つの大学を抱えるロシアの学生街であるが、窓枠や軒下に細かい木彫り装飾を施した、シベリア地方の伝統的な木造家屋が残されているということで、ぼくも賛成。列車を降り立ってロッカーを探そうとキョロキョロしていると同年代の青年が寄ってきて何か手伝おうか、と話しかけてくる。気持ち警戒しながらも話をすると、彼もバックパッカーとして旅をしている際に異国の地で助けられた経験があったらしい。荷物預かり場所での時間確認など笑顔で親切に付き合ってくれた。そんな彼に、「ロシアで初めて笑顔をみた」と伝えると、「ロシアでは誰も微笑まないんだ。もしそういう顔を向けられたら、なに笑ってるんだ?と因縁をつけられるから気をつけた方がいいよ」との事。確かに、北欧では誰もが笑顔に笑顔で返してくれたが、特にモスクワは睨まれる(ように感じる)事の方が多い。これもお国柄なのだろう。



小さいと思っていた町、実際に歩いて見ると平坦に広がっている。全体的に人が若く、そして英語が拒否されない。なにより笑顔が返ってくる。そんな事を感じながら、プラプラ。観光地ではないので駅に地図がおいている訳でもなく、ガイドブックの大雑把な地図を片手に散策したが当然のように迷子。でも、迷い込んだ先は生活が息づいた古い住宅街。カラフルに塗られた窓枠の中にはプランターが飾られ、路上には犬が寝そべっている。5、6時間歩いてようやく駅前へ戻る。



スーパーで買い物をし、朝の男性に薦められたウズベキスタン料理の店へ行ってみる。この国の予備知識はまったくない。頼んでみたのはピラフとフライド・ヌードルだったのだが、意外や意外、アジアン・テイストでとても美味しい。なんとなく中東というイメージがある「…スタン」だが、是非とも訪れてみたくなった。という事はウルムチからカザフスタンか。サエはどう思うだろう。いつ提案してみよう。

今度の列車はモスクワ発の車両に比べかなりの年代物。部屋に入ると、既に同居人なる人がゴソゴソと荷物をしまっている。まぁ最初が良すぎただけだろうとバックパックをそのままベッドの下に押し込み、その上にボロボロのマットを敷き、ゴワゴワのシーツで包んでゴロリ。カバンを抱えるように就寝…あれ?…寝られない…まさか神経質?シベリア中央で迎えた七夕の夜はあいにくの曇り空だったが、きっと世界のどこかの晴れた夜空で織姫と彦星は会えていることだろう。羊が13342匹…羊が13343匹…




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