7.19.2011

シベリア鉄道の旅:イルクツク ~ ウランバートル 

走行距離  1081km
拘束時間  約26.5時間
出着時差  -1時間

早朝のイルクツク駅には欧州のバックパッカー集団、中国の団体観光客、そしてモンゴルへ帰国する人々で溢れていた。祭の為きっと混んでいるだろうと思いながら列車に乗り込むと、ルームメイトは就寝中らしい。静かに部屋へ入り荷物を閉まってゴロリ。上のベッドから起きてきたのは優しそうなモンゴルの青年で、彼の眠そうな笑顔に安心したのかぼくらはすぐに寝てしまった。


これまで乗った中で最も味のあるこの列車は、座席やカーテンの柄もアジアンな雰囲気。僕らの個室の青年は乗車している他のモンゴル人達のリーダー的存在らしく、皆の分の出国申請書を書いたり持ち込み不可の酒瓶を隠すのを指示したりしている。国境が近づき緊張感が高まってくると、車掌が全員部屋へ戻るように指示する。耳を突くようなブレーキ音とともに車両が停止し、その後大きな金属音とともにもう一度車両が揺さぶられる。カーテンの脇から覗いてみると軍人がホームに配備され、窓から覗かないように乗客へ指示しているのが見える。出国審査を行うロシアの最終駅、ナウシュキに到着したらしい。すぐに多くの検査官が車両に乗り込んでくると、パスポートと申請書を回収され、建物の中へ消えていき、不安だけが車両に残される。






予定停車時間は3時間半。パスポートの回収が終わると、乗客は自由に車両から降りることができる。下車してふと前方を見ると、先頭車両の機関車がいない。さっきの音はこれだったのか、と思いつつサエと共にロシア最後の空気を満喫。車両に待機するよう指示があり、そして没収から2時間半後、日がだいぶ傾いてきた頃に検査官からパスポートを返され、すぐに中を確認する。ホッとしたのもつかの間、軍服の女性が部屋に入ってくるなり、全員部屋から出るように指示され、ベッドの下や屋根裏、壁の隙間など隅々まで調べられる。違法な数量(と思われる)酒瓶計数十本を隠していたルームメイトも不安なのだろうか、入り口付近でその様子を見守っていたが、結局何も見つからずOKと言われて部屋に戻った。






列車が走り出してから少しすると窓から簡素な国境の看板が見え、それから更に1時間程すると車両が止まる。スクバートル駅に到着。通常は入国の方が緊張するものなのだろうが、既に入国したも同然の心持ちでパスポートを預ける。案の定一時間足らずで帰ってきたパスポートには、正式に第7ヶ国目に入ったことが記されている。




いよいよアジア。

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