8.22.2011

砂漠で彷徨う

ネットのアクセス規制により、更新が遅くなっています。まとめてアップする事になりますがご容赦ください(^^)



世界で最も内陸に位置する都市、ウルムチ(乌鲁木齐)を首府にもつ新疆ウイグル自治区は、中国の中でも異質な地区である。元々シルクロードの休憩地点としてタクラマカン砂漠付近のオアシスを中心に遊牧民が移り住むようになり、やがてこの付近は東トルキスタンとして栄えてきたが、その歴史は独立と隣国からの弾圧でいまだに抗争が耐えない。民族は漢、ウイグル、モンゴル、カザフ、キルギス、ロシア、トゥルクなどを中心に40以上も入り乱れ、市内でも路地を一本曲がるとここは本当に中国なのだろうかと疑うような景色に変わったりする。

その中でも、南疆方面の町、ホータン(和田)とカシュガル(喀什)はウイグル族の文化と歴史を垣間見る事のできる町と聞いており行く予定にしていたのだ が、7月21日にホータン市内で警察への報復による襲撃事件が、また7月30、31日にはカシュガルで通行人にまで被害が及ぶ連続殺傷事件があり、地元の 人とも相談の上で断念する事に。民族・宗教問題から勃発する事件は、とても日本人の僕たちには理解できない程複雑で、そして重い。


暴動を警戒して巡回中のパトロール員
 


予定変更を余儀なくされた僕らは、せめて世界で二番目に大きい砂漠を見に行きたいと思い始めるが、地元の人に相談すると自殺行為だという。ウイグル後で死を意味するタッキリ、そんな名前を持つ場所は素人の僕らにはとてもではないが無理らしい。あちこちで相談した結果、ウルムチ市の東約300km辺りに位置する町、ピチャン(鄯善)からクムタグ砂漠にいける事を知り、バスで向かう。道中には遺跡が多く残る観光地のトルファン(吐鲁番)や西遊記で知られる火焔山もあり、乾いた土地が連なっている。4時間後にピチャンヘ到着してクーラーの効いたバスを降りると、暑いなんてものではない。とにかく飛び込みで宿に入ると外国人は泊まれないとの事。町に3軒しかない外国人の宿泊可能な宿を教えてもらい、一息ついてから食事へ。そこで気温を尋ねると45℃。暑いわけだ。


サエがバスで知り合った人によると、僕たちが訪れようとしている砂山公園は外国人価格が設定されているので、タクシーの運転手にチケットを購入してもらうといいとの事。夕暮れに訪れたいと思っていた僕らは、昼食後に下見がてら向かって見る事にする。若いタクシーの運転手に情報どおりのことを聞いてみると、砂漠なら無料で入れるところへ連れて行ってくれるらしい。入り組んだ路地を抜けてぶどう棚の脇で車を止めると、待っているから見てきなと言ってくれる。なんて親切。フェンスをくぐり登りにくい砂山を登り切ると、そこは延々と広がる砂漠だった。感動も大きいが、木陰一つないそこは正に灼熱地獄。照り返しも半端なく、温度は町中とは比べものにならない。写真だけ撮ると熱くなったカメラを抱えてすぐにタクシーへ戻り、また夕方出直すことに。





この小さな町は大通り一本に全ての店が連なっていて、砂漠に近い地域にウイグル族、国道に近い方に漢族が居住している。砂漠から離れると、夜市のある中心地を境目に、砂の建物は見慣れたコンクリート建造物へと変わっていく。歩道には並木が植えてあり、日陰の通路になっている。これがなければ外など歩くことはできない程、まるで近くで何かが燃えているような乾燥した暑さだ。本当に芭蕉扇が必要かもしれない。



20時頃同じタクシーに迎えにきてもらい、今度は公園に行くことを告げるとチケットを買ってきてくれるとのこと。一人30元と書かれたチケットを手にして入口へ行くと、確かに英語では60元と書かれている。問題なく入場してしばらく進むと広大な砂山が広がっている。登って高台から夕日をみようということで、慣れない足取りで砂漠を歩くが登り坂は足下が崩れて思うように進まない。常に水を飲みながら一時間半ほどかけて一番高い砂山に登ると、その先に見えるのは永遠に続く砂山。美しさとともに、呑み込まれて方向感覚を失いそうな恐ろしさを垣間見た気がした。







帰りは原付自転車に荷台をつけた一元タクシーへ乗り、夜市へ。中央アジアがますます楽しみになってきた。

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