8.22.2011

出国拒否??

ロシアを含め、カザフスタンを始めとする旧社会主義国ではレギストラーツィアと呼ばれる外国人滞在登録が必要である。これは陸路で同国へ入った場合に5日間以内に内務省外国人管理課を訪れ、登録をするというソビエト連邦時代からの名残の制度らしい。木曜午後に指定された場所へ赴くと明日の10時に来いと言われ、翌日早めに行くと既にカウンターに向けて人が押し寄せている。受け取った書類を記入し、コピーをとってようやく提出すると、月曜の18時に取りに来いと言われる。即日と思っていたので戸惑ったが仕方がない。パスポート未所持で過ごす週末は問題を起こさないようにしなければと思いながらその場を後にする。



市内の散策は1~2日で充分だったので、以後は朝から中長距離のバス停留所へ行き、サモサを食べながら適当なバスを見つけては乗って日帰り旅行を楽しむ事を何度か行った。アラタウ山脈を望むメデウや渓流が流れるタルガルなどを訪れ、少しでも街中から離れる事を満喫していた。





列ははないので人に紛れてカウンターを目指す
月曜夕方に無事パスポートを回収し、翌朝に次の国へ出発する事にした。僕らが選んだのは、無難なビシュケク行き直通のバスではなく、東側の小さな町カラカラから南下して国境を越えてキルギスのカラコルに入り、イシククル湖を大回りしてビシュケクに向かうルート。直通でビシュケクまで出入国を含めて4時間かかるのに対し、大回りのルートでは国境まで4、5時間、多めに予測し3日程度で大まかな行程を組んだ。



上がりっ放しのワイパー、下がりっぱなしの窓、割れたままのガラス。満席になるまで呼び込みを続け、7:38に出発した満席のミニバスは順調に進み、休憩をはさみながら広い大地を走って行く。途中高原から渓谷が見え始める頃には蜃気楼が大地を覆い、幻の水面に映り込んだ地形が外の気温を示してくれる。バスの中は気さくな人々ばかりで、言葉は通じないものの話しかけてきたり、おばさんがジェスチャーで僕らを家に招いてくれた(ように解釈した)りしてあっという間に過ぎ、気付くと昼過ぎに目的地のケゲンへ到着していた。




そこからヒッチで車に拾ってもらい、10分程走ってカラカラへ到着。そのまま国境まで送ってもらえるようお願いするが、通じない。とりあえず車を降りてどうしようか考えていると別の車が止まり、一旦走り去ったと思ったら中国人の女性を乗せて戻ってきた。何と通訳を探してきてくれたのだ。彼女の説明によると、国境は一年半以上も閉鎖したままだそうで、皆があちこちに電話してくれたりしたが結局無理だからアルマティに戻った方がいいとの事。ここまで来て折り返すのは悔しいが方法が無いなら仕方がない。獣の匂いがする車でケゲンまで送ってもらい、そこから別の車でアルマティへ向けて同じ道を引き返した。





アルマティに戻ってきたのは、出発からちょうど12時間が経過した19時。そのまま国際バスターミナルへ行き、21時のバスでビシュケクへ向けて出発。深夜の国境は静かで空いており、疲れた僕らにとってありがたい環境。これまでで最短の審査を受け、初めて歩いて国境を越えた。ビシュケク着いたのは1時半。たかが200kmを進むのに18時間もかかってしまった事になる効率が悪いのもブラリ旅の醍醐味と自分たちに言い聞かせながらも、翌日は一日のんびりする事だけを決めて就寝。宿があってホントよかった。


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